最終間近の路線バス。
少し酔っていたせいかうつらうつらとしていると
降車ボタンが押された音にはっと目を覚ます。
次は私が降りる停留所。
いかんいかん乗り過ごしたら大変な所だった。
私が一人降りると、
乗客のいなくなったバスは発車する。
乗客がいないのはご苦労なこったな。
【解説】
『私が一人降りると、乗客のいなくなったバス』
なのに
『降車ボタンが押された音にはっと目を覚ます。』
いったい誰が降車ボタンを押した?
目に見えない何者が押したのか?
霊的な何かなのかもしれないが、
とても親切である。
ただ、実際に語り手が降りる停留所のようなので、
語り手が降りる場所を知っていなければならない。
…ストーカーまがいの幽霊だったか…?