いつも仕事帰りは必ず道路沿いの商店街を通るんだけど、
今日はいつもと違う道で帰った
だからいつも買ってる惣菜屋のコロッケは買わなかった
いつも寄る本屋さんにも行かなかった
いつも公園の入口で
「こんにちわ!」と挨拶する小学生達とも会わなかった
初めての道はとてもドキドキした
初めての道は不安で一杯だった
いつもと違う、知らないことばかりだった
そして知らない綺麗な女と会った
不安とドキドキで一杯だった
道の途中ふいに女を抱きしめ、キスをした
心の中が滅茶苦茶になるのを感じた
だけど、不思議と冷静だった
だから私は思い切り突っ込んだ
【解説】
仕事帰りの男の人をつけている
ストーカー女のお話。
ストーカー女が惚れた男の後を
毎日ずっと車でつけていたが、
ある日『知らない綺麗な女』と出会った。
『知らない綺麗な女』とは恋人のことだろう。
そんな人とキスをしているのを見て、
『心の中が滅茶苦茶になるのを感じた』
「あの人が私以外の人にキスなんてするはずがない!」
といった感情が出たのだろう。
しかし、
『不思議と冷静だった』
とのこと。
「いや、あの人が私の以外の人とキスなんてするはずない。
これは悪い夢なんだ」
と考えたか、それとも
「私以外の人とキスする人なんていらない」
と考えたか・・・
いずれにしても意外と冷静となり、
『私は思い切り突っ込んだ』
つまり、車で二人まとめて轢いた。
仕事帰りの男とストーカー女の関係性はわからないが、
彼女がいることを知らなかったということは、
知り合いではなく、街で見かけた男の人だったのだろうか?
それとも…
もしかしたらストーカー女は実は彼女で
浮気の可能性を考えて車で尾行していた?
それで毎日尾行していたら知らない道を通り、
そして浮気相手と出会いキスを…
なので、
『心の中が滅茶苦茶になるのを感じた』
けれども、
「やっぱり浮気していたのか…」
と冷静になり、
「私を裏切ったのだからその報いだ!」
とばかりに車で轢いたのかもしれない。
いずれにしても、
嫉妬など感情のままに突っ込んでしまったのならまだしも
(いや、良くはないが…)
冷静な状態で車で突っ込むとか
その考えが怖すぎる…