「俺は女になる」
長男Cが唐突に宣言した。
母Bは当然反対した。
「お父さん(A)がさっき亡くなったばかりなのに何言ってんの?」
C「だからさ。親父(A)が生きてるうちは言えなかったんだ。俺はもともとおネエなんだ」
B「あんた、根っからの女好きでしょう。100人斬りとか200人斬りとか」
C「あれは全部ウソさ。もう手術も決まってるし戸籍も変えるんだ」
B「お父さんの会社は誰が継ぐの?妹たちの面倒は誰が見るの?」
C「うるせえ。俺は俺の好きなようにする…」
葬儀も済ませた数日後、
親族全員が集まる席に、
完全に女になったCも居た。
弁護士立会いのもと、
故Aの遺言書が読み上げられた。
「私のすべての財産は長女に譲る」
【解説】
Cは
『私のすべての財産は長女に譲る』
の情報を事前に知って性転換をし、
「長女」になろうとした。
しかし、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に
「性別の取扱いの変更の審判前に生じた身分関係及び権利義務に影響を及ぼすものではない」
とある。
つまり、父Aの死亡時点では長女はCではないため、
Cの画策は全て無意味となる。
完全に女になってしまったCの今後の人生が怖い・・・。
Cが事前に知っていたということは
お父さん(A)が事前に伝えていたのだろうか?
「お前には財産などやらん!
財産は全て長女に譲る!」
などと。
こういう行動を取るのだから、
そりゃ長男に財産を譲りたくないよなぁ、
なんて思ってしまう。
お父さん(A)は長男Cの人生を破滅させるために
わざと遺言書を伝え、
女性にさせようとしていたのであれば
このお父さんの読みはすごいと思ってしまう。