猫が、おれのデイパックに頭を突っ込んだまま眠っている。
「おい、ミケ!」と呼んでも、完全無視。
これだから、猫より犬のほうが可愛いんだ。
ふてくされて居間に行くと、ミケがコタツから頭を出して眠っていた。
「おい、ミケ!」と呼んでも、完全無視。
これだから、猫より犬のほうが可愛いんだ。
【解説】
犬の名前がミケ。
ミケは猫嫌いの語り手のために猫を噛み殺した。
『猫が、おれのデイパックに頭を突っ込んだまま眠っている』
これはバラバラにされた猫の頭が
デイパックに入っていたということ。
その後にミケを呼んだのはお礼を言うためか?
(居間で寝ていたわけだが)
それとも
「猫を殺してくれたことには礼を言うが、
さすがにデイパックの中には入れないでくれ」
といった感じだろうか。
ミケは猫を殺している上に
デイパックの中に猫の頭まで入れているため
普通であれば恐ろしくなるところであるが・・・
それでも
「猫より犬のほうが可愛いんだ」
と言っている。
恋は盲目であるように、
語り手は犬が可愛すぎて周りが見えていないように思えてしまう・・・