同窓会・・・・
久しぶりに会う皆はすっかり変わっていた。
「皆、すっかり変わったわね。見違えちゃったわ」
「変わっていない人も・・・」
Mは相変わらずだった・・・
まるで時に置いてかれたようだ。
友人の一人がこう言った。
「そりゃアレだけ寝ていれば変わらないわよ」
【解説】
Mはコールドスリープしていた。
同窓会で会った同級生は高齢者。
なので、Mも高齢者だが、
コールドスリープのおかげで見た目は昔と全く変わっていない。
Mはなんのためにコールドスリープしていたのだろうか?
未来が見たい、などという理由であれば
コールドスリープした意味も出てくるだろうが、
若さを保ちたいなどという理由であれば、
自己満足以外の何者でもない。
何歳からコールドスリープしていたのかはわからないが、
いくら若さが保たれていても年齢はごまかせない。
また空白の時間があるため、
世の中の会話についていくこともできないだろう。
となると、職を探すことも恋愛することも
何もかもが難しくなりそうである。
時間が経ってから虚しさや無意味さ…
むしろ、時代の流れの恐ろしさを感じてしまいそうである。