私の母は優しい保母さんだったそうで
私の父は趣味がギターの普通の会社員でした。
そうした円満な夫婦のもとに産まれたのですが、
私にはなぜか右手がなかったのです。
母は大変ショックを受け。私を産んだ後に母が死んでしまいました
自殺だったそうです。
父が私の事を陰で「悪魔の子」と呼んでいました。
父は母が死んだ直後に愛人が出来、
当然私の右手の手術などせず、何時も冷たい視線で私を見ていました。
学校では右手がないことを理由にイジメられたりしましたが、
その怒りを勉学にあて、日々の努力のお陰で医学部に入ることが出来ました。
父は私が医学部に入ったと聞くとやけに優しくなり
俺が育てた子供とか言うようになりました。
しかし私が父の影響からかギターを始めると
今度は私に怯えるようになり趣味はサッカーに変わりました。
【解説】
語り手は日々の努力で医学部に入ることができ、
右手を移植することに成功した。
そのため、語り手はギターを弾くことができるようになった。
父の趣味がサッカーになったのは
語り手が父の右手を使って移植したため。
語り手に右手を奪われたことから
父は語り手に怯えているのだろう。
ただ、ギターを片手で弾く人もいるようだ。
語り手はもしそういう練習をしていたのだとしたら
素晴らしいことだと思う。