夢を見た。黒服の男に右腕を付け根からノコギリで切られる夢だ。
刃が骨に当たる嫌な音が響いていた。
拘束されている訳ではないが動けなかった。
不思議と痛みや恐怖は感じなかったが妙にリアリティがあり、
起きた後に自分の体を確認して安堵した程だ。
そんな夢を見るのも今日で4日目だ。
2日目は左腕を、3日目は右脚を切られる夢だった。
起きてみれば身体に異常はないのだが、
夢の中では着実に四肢が減っていく。
これからどうなるのだろう。
そんな事を考えている間に夢に落ちていた。
夢の中では既に残る手足は左脚だけになっていた。
そして左脚の付け根に凶暴な刃が当てられた。
ほんの数分で俺は達磨のようになってしまった。
脚を切っていた黒服の男が最後に
「ゴチソウサマ。」と言った気がした。
目が覚めるとやはりいつもの身体だ。
しかしなんであんな夢を見たのだろう。
まぁいいや今日は何をしよう。特に何もする事は無いけどね
とりあえずトイレがしたい
【解説】
『とりあえずトイレがしたい』
語り手には自力でトイレに行くことができない。
つまり、語り手には元々四肢がない。
この夢の内容は実際にあったことだが、
語り手がこの時の出来事を恐怖により忘れてしまったものの、
潜在的には覚えていた…
なんてこともありえる?