私は古いアパートに住んでいる…
そのためまぁボロボロなのだが、
隣との壁に小さい穴が開いていた…
覗いてみたが…何もない。
…ん？いゃ人形がある。
蒼と碧の綺麗な瞳、
両目の横に何か書いてあるが
よく見えない…
私は隣を尋ねた。
『ピンポーン』
返事がない…
留守なのかな？
なんとなしにドアノブを回す…
『ガチャ』
開いた…どうするべきか迷った。
が、あの人形が気になったので中へと入る。
「あの人形は…と」
玄関から人形を探す…
すると、スグに見つかった…
こちらに正面を向けて笑顔を見せる人形は
私に恐怖をも感じさせた…
人形に近づき両目の横に書いてあるものを確認した…
呪…たしかにそう書かれている…
私は怖くなってその場から急いで離れた。
部屋から出ると大家が通りかかった…
「君！空き部屋だからといって、入っちゃイカンだろう！！」
「ごめんなさい」
「ほら鍵を出しなさい」
【解説】
鍵がかかっているはずの空き部屋なのに
なぜ鍵はあいていたのだろうか？
そして、語り手は
壁の穴を覗いて
人形の目を見ている。
つまり、人形は横を向いていたはず。
しかし、語り手が部屋に入った時は
正面を向いていた。
誰もいない空き部屋なため
人形が勝手に向きを変えたのだろう。
もしかしたら
鍵をあけたのも人形なのかもしれない。
大家は空き部屋に
人形がいることを知っているのだろうか？
大家に話して一緒に空き部屋を覗くと
もしかしたらすでに人形はいないかもしれない…
人形に『呪』と書かれていたのであれば、
語り手はこれから人形の夢を見たり、不幸な目にあったり、
嫌なことが続くかもしれない。
