学校が新年度でクラス替えがあった。
自分の教室は校舎の一番端になった。
教室に入ろうとして歩いて行くと、
廊下の突き当たりに小さい女の子が立っていた。
私は足を止め仰視してしまった。
「あなたにも見えるのね」
と背中から声をかけられた。
クラス替えしたばかりで誰が言ったのかわからなかった。
いきなり話かけないでよ。
びっくりするじゃない。
【解説】
語り手は『仰視』していた。
つまり、下から見上げているような状態。
しかも、相手は小さい女の子。
仰視するためには、
覗き込むようにしなければならない。
つまり、
貞子のようにほふく前進をしているをしている状態だったり、
下から覗き込むように見ている状態である。
そんな状態は想像するだけで震えてしまう。
普通であれば貞子のようにほふく前進をした状態で
廊下を移動していたとは考えづらいし、
小さい女の子を下から覗き込むようにするのも考えづらい。
実際にやられたら
顔との距離がものすごく近そうである。
つまり、これは語り手が幽霊であるということ。
声をかけた相手は
小さい女の子に声をかけたのだろう。