あぁ、目が覚めてしまった~。
まだ3時なのに…
気分転換にベランダに出よう。
それでベランダでくつろいでいる、
と自分のマンションの下から
ボカッ
と鈍い音がしたの。
ん?と思って女の人が下を覗くと、
男の人が鉄パイプで若い女の人を撲殺してたの。
私本当びっくりして怖くなったから、
部屋に戻ろうとしたら
ガシャーン
と派手にプランターを倒してしまった。
すると下の男の人がすごい勢いでこちらを向き、
一旦マンションから遠ざかり、
その女の人が立っている階を数えて、
ものすごい勢い走ってでロビーに入ってきた。
やばい
そう思って私が全ての鍵をかけて、
ロックをした瞬間
「ピーンポーン」
あ、来た…
覗き穴から見たら鉄パイプを持った人が立っていた。
「ピーンポーン」
「ピー-ンポーン」
もうやだ…
帰って…
「ピー--ンポーン」
「ピー---ンポー---ン」
「ピー-------ン・・・・・・・
あれ?
鳴らなくなった?
あー
怖かった
あ、もうこんな時間。
あと1時間したら仕事行かなきゃ。
ちょっと寝よー
おやすみ~
【解説】
『ピー-------ン・・・・・・・』
と最後の「ポーン」がないため、
犯人はドアの前で押し続けている。
語り手はいなくなったと思ってそのまま1時間睡眠。
つまり、犯人は1時間押し続けることになってしまう?
鉄パイプも持っているし、
見た目もやっていることもかなり不審者。
その一時間のうちに通報されそうである。
ただ、まだ3時だから
通報は難しいだろうか…。
この語り手、
犯人がいなくなったと思ったからって
すぐに寝れるとかメンタルが強い。
普通はビクビクして眠れず、
「あ…警察に連絡を…」
とかなりそうものだが、
睡眠欲が勝ったということなのか、
それともあまり気にしない性格なのか…
うらやましい性格である。