【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】勢力の強い台風

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これは勢力の強い台風が直撃した時の話だ

 

警官の俺は逃げ遅れた人が取り残されていないか見廻りをしていた


雨と風は激しくなる一方だ


自分も危ないなと思い、切り上げようとした時だった

 

若い女が泣きながらかけて来た


「お願いです、母を助けて下さい!足を滑らせ川に転落してしまいました」


すぐそばの川を見てみたが流れが早く氾濫しかかっている


とても助けられるような状況じゃない


俺は応援を呼んで捜索しますと言って、女を安全な避難所へと誘導した


去り際にもう一度川を見ると、か細い白い手がにゅっと突き出ていた


目に雨が入った・・・目をこすって見直して見ると何も無い


ただの見間違いか

 

翌日、川は濁流のままだったが5キロ先の下流で女性の溺死体が発見された


夕方、昨日の女に身元確認をさせると目から大粒の涙をこぼして母だと言った


「どうしてこんなことに・・・」


女は母の死体にしがみつき、わんわん泣いていた


野次馬の中にこの親子を知るおばちゃんだったのだろうか


「お母さんは寝たきりだったのにねぇ・・・娘さんも一生懸命介護していたのに」

 

と、涙を流していた

 

もう暗い時間だ


今日はどうするのか尋ねると


「私の地区の避難勧告は解除されました、母の遺体とともに家に戻って寝ます」


との事だった


台風さえなければ、こんな痛ましい事故は・・・


俺は温暖化防止を呼びかける運動にも参加しようと思った

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お母さんは寝たきりだったのにねぇ』

にも関わらず、娘さんは

『足を滑らせ川に転落してしまいました』

と言っている。

 

寝たきりなのに、

どうやって足を滑らせて転落したのだろうか?

 

『すぐそばの川を見てみたが流れが早く氾濫しかかっている』

とあるため、母親が転落した時点ではまだ氾濫していない。

 

となると、娘さんが母を背負っていたのだろう。

 

つまり…介護に疲れ切った娘さんが、母を背負って連れ出し、

事故に見せかけて母親を川に投げ捨てたということだろうか?

 

 

ただ少し気になる描写がある。

 

警官の語り手が

『か細い白い手がにゅっと突き出ていた』

と言っていることである。

 

これを見たら

「娘さんのお母さんの手かもしれない!」

と、すぐにでも助け出そうとするのではないだろうか?

(というか、そもそもこんな状況で見たら、

母親とかに関わらず確認するものでは…)

 

にも関わらず、

『見間違い』

としている。

 

この描写は必要だったのだろうか?

 

と考えた時に、もしかしたら、

この娘さんはお母さんを背負って歩いていたものの、

足を滑らせてしまって、

"娘さんも一緒に"川に転落したのではないだろうか?

 

か細い白い手はこの娘さんの手…

 

しかし、そうなると、

娘さんが幽霊ということになってしまうが、

語り手だけでなく、

野次馬のおばちゃんにも見えているように描かれている。

 

果たして真相は…?

 

結局母親を川に投げ捨てた、というのが

一番しっくり来るのかなぁ…

 

なんかやだなぁ…