男の子
「ねぇねぇお母さん!
今日ね、学校で刷り込みってヤツを習ったよ!
この写真を見て!
ほら、ヒヨコが電車のオモチャを追いかけてるでしょ?
これはオモチャを親だと勘違いしているからこのヒヨコはオモチャを追いかけているんだよ!
これが刷り込みって言うんだってー。面白いよね?
あれ?お母さん?聞いてる?
ちぇっ、いつも暖かいからって寝るんだから困るよ」
そう言って男の子は三毛猫が寝ている居間を後にした。
【解説】
三毛猫を母親だと勘違いしている男の子。
三毛猫が母親だと刷り込まれているのに
言葉も覚えている。
一体これまでどうやって生きてきたのだろうか?
実際の母親は自分を母だと思ってもらえず、
つらい思いをしながら見守っている?
母親にとって
それほどの恐怖はあまりないだろう…。