「ただいま!」
そう言って彼は家に入った。
しかし返事はない。
靴もないし、まだ誰も帰ってきてないのだろう。
彼は電気をつけ、洗面所に行き、うがいと手洗いをした。
その時、鍵のかかってるドアを開けようとする音がした後、
インターフォンが鳴った。
彼はそれに出てみた。すると、
『ただいま、開けて~』
という声がした。
どうやら兄のようだ。彼はドアの鍵を開けに行った。
【解説】
『鍵のかかってるドア』
とあるが、語り手は鍵をかけている描写がない。
『電気をつけ、洗面所に行き、うがいと手洗いをした』
と詳しい描写をしているにも関わらず、
鍵をかけた描写が出ていないため、
本来であれば鍵はかかっていないはずでは?
つまり、家の中に誰かいる??
そもそも鍵を開けた描写すらない。
兄もドアに鍵がかかっていないと思って、
鍵のかかっているドアを開けようとしたのだろう。
となると、この家は元々鍵をかけないのが
普通なのかもしれない。
そのため、語り手が鍵をかけるとも考えづらい。
家の中に誰かいるのだろうか??