久しぶりの休日、昼過ぎまで眠っていた。
起きると、とりあえずトイレへと向かう。
水が流れていた。妻が入ったのだろう。
便座に座り込み、一息ついた。
トイレは私のお気に入り、憩いの場所だ。
近頃は仕事が忙しくて、疲れも溜まっている。
そういえば、碌に妻とも話せていない。
もうそろそろ、子供の一人でもできるといいんだけどなあ。
水を流し、トイレから出る。
するとすぐに妻が入れ替わりトイレに駆け込んだ。
「あなたトイレ長いわよ」なんて小言を言われてしまった。
【解説】
『「あなたトイレ長いわよ」なんて小言を言われてしまった。』
入る前は水が流れていたため、
妻が入っていたと思っていたが、
駆け込んできた後に小言を言われてしまったということは、
妻は入っていなかったということ。
では、果たして誰がトイレで
用を足したのであろうか?
もしかしたら、妻の体調が悪く、
すぐにトイレに駆け込んでいたのかもしれない。
もしくは、小言を言いたくなるのは、
『もうそろそろ、子供の一人でもできるといいんだけどなあ。』
という言葉から察するに
子供ができる前兆でストレスが溜まっている可能性もある。
(トイレに駆け込むのはつわりのため)
だが…
『近頃は仕事が忙しくて、疲れも溜まっている。
そういえば、碌に妻とも話せていない。』
ということから、
妻のストレスが溜まり、
とりあえず理由をつけて
小言を言いたくなっているのかもしれない。
そのため近々離婚話をされる可能性もある…。
子供が欲しいと思っている語り手からすると、
最後の解釈が一番怖いのかもしれない。