親友に彼女を奪われた。ビルの屋上で花火観賞をしていた。
「あいつを奪うみたいになって悪かったな」
『しょーがない』
「怒ってないのか?」
『別に。あいつがお前を選んだだけ』
「なら良かった」
『あいつが待ってるから早く行けよ』
「ありがとう。応援してくれ」
俺は親友の背中を力強く押した。
【解説】
「屋上で」親友の「背中を力強く押した」のである。
そして、『あいつ(彼女)が待ってるから早く行けよ』といっていることから、彼女ももう「逝って」しまっているだろう。
殺したいほど憎かったのかもしれないが、すでに彼女の元へ逝くことを決めていた親友。
主人公の気持ちは非常に複雑であっただろう。
そこまでの愛に主人公も許すことができたのかもしれない。