【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】足売り婆

スポンサーリンク

ねぇ、知ってる?足売り婆…

 


知ってる、知ってる!

「足いるか…?」

って聞いてくる大きな風呂敷背負ったお婆さんでしょ?

 


そうそう!

「いる」って答えると、
風呂敷に入っている足を無理やり縫い付けられて、
3本足にされちゃうの…

「いらない」って答えると
足を1本切り取られて、
切られた足は風呂敷の中に入れられちゃうんだって…

怖いよねぇ~

回避する方法は確か…

 


下らない…

 

そんな事を思いながら、
係の仕事をしていた。

 

今はだいたい4時少し前。

 

教室に残っているのといえば、
さっきから噂話に花を咲かせる女子数名と
係の仕事で残っている僕ぐらいだ。

 

そんな僕も仕事を終え、
教室をあとにし、帰路についた。

 

ついこの間迄は放課後はいつも、
同級生の池田と一緒に近くの公園でサッカーをしていたけど、
ある日を境に顔も見なくなった…

 

そんな事を考えながら、
通学路を歩いていると…

 

「足はいらんかね…?」

 

振り向くと、
そこには大きな風呂敷を背負った老婆が立っていた。

 

(出た…本当にいたんだ…)

 

そこでさっきの噂話が思い出される。

 


回避する方法は確か…

 

「わたしはいりませんけど、
○○さんはいると思います」

 

って言うんだって!

 

ちょっ、それひどくないっ!?

 

あんた会ってもわたしのこと、売らないでよっ!!

 


「……っ!
僕はいりませんが、
3丁目の池田君はいると思います…」

 

「ひっ!ひ~ひっひっひっひ
お前は我が身かわいさに友達を売ったんだ!!
その罪悪感を背負って惨めに生きていくがいいさ!」

 


男の子が何をするでもなく、
ただただ机に向かっていると、背後から

 

「ひ~ひっひっひっひ…」

 

振り返ると

 

「足売り婆…!」

 

「足はいるかい…?」

 

「い、いります!!」

 

「ひっ!ひ~ひっひっひっひ
恨むならあの子を恨みな!
我が身かわいさにお前を売ったあの子をねぇ!!」

 

そこ迄言って、
振り返った男の子を見た足売り婆は
残酷なまでに楽しげな表情を凍りつかせ、
言葉を詰まらせた…

 

「僕はまた皆と…」

 


その日以降、
足売り婆は僕たちの町には現れなかった…

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

池田君は片足を失ってしまった。

 

そのため、

学校にも来なくなってしまった池田君。

 

語り手は

一生サッカーをできない体になってしまった池田君の気持ちを考え、

それでも彼の為に何もできる事の無い自分を情けなく思っていた。

 

そこで足売り婆に会い、

 

「また一緒にサッカーをやりたい!

またあいつにサッカーをやらせてあげたい!」

 

そう願って、

足売り婆を池田君の元へと行かせた。

 

足売り婆は池田君の姿を見て、

語り手の考えを理解した。

 

この時、足売り婆は

一体何を考えたのだろうか?