「はい、どうぞ!」
「ありがとう」
いい笑顔だ…
私の娘の笑顔を見るといつも癒される。
もう17歳になるのか…
娘がくれた小さめのあんず飴を一口で食べた。
あまい。
こんなにおいしいものか…
私は娘が中学校になる前くらいまで虐待していた。
娘には償いきれないほど悪いことをした。
だけど目が覚めた。
一から娘と信頼関係を作りなおし今日まで来た。
一緒に地元のお祭りに行けるようになった。
涙が出た。
娘がこっちを見ている。
あれ?喉がヒリヒリする。
呼吸ができない。
なるほど、あんず飴…
理系の学校に行ってるんだよな。
気が遠くなる中、娘の笑顔を見た。
【解説】
シアン化水素は毒性が非常に強く、
あんずのような甘酸っぱい匂いがするらしい。
それであんず飴でカモフラージュをして
語り手に虐待の復讐をした。