俺には彼女が居る。
でも、病弱で入院ばかりで、
ぶっちゃけ寂しい。
だから、医者を巻き込んで駆け落ちをした。
今、俺は仕事をして
彼女は出来る限り、家事をしてくれる。
しかし、彼女は決して料理上手じゃない…
最近、レパートリーが増えたとか。
その名も「カレーシチュー」
そんなある日、仕事が終わり、帰宅なう。
おかしい。彼女が居ない。
突然、電話が鳴った。
「も、もしもし？」
「あ、警察ですが…彼氏さんですか？」
「え、まぁ…」
「そうでしたか…
実は彼女さんが亡くなられました」
「申し訳ないのですが、署に来て頂けますか？」
「…！？あの、亡くなったってどういう…？」
「自殺です。川に身投げを。
しかも、不思議な事に舌が無かった…」
「は？舌？」
意味が分からない。
混乱しながら、警察署に向かった。
色々と手続きをして、
帰ってきたのは深夜。
そういや、飯まだだな。
冷蔵庫には「カレーシチュー」が入っていた。
泣きながら食った。
皿の底に、手紙が入ってた。
内容を読んだ瞬間、戻してしまった…
【解説】
彼女の舌がなかったのは、
カレーシチューの中に入っていたから。
語り手は
皿の底に入っていた手紙を読んでそれを知り、
食べたカレーシチューを戻してしまった。
彼女は一体何をしたかったのだろうか…？
語り手の一部になりたかったのだろうか…？
