私の仕事は歯科衛生士。
今年、資格をとることができ、
憧れだった歯科医院で働く事に。
こんな私だが、高校時代、
いじめに遭っていた。
本当に陰湿で何度も自殺未遂をしたくらい
辛くて孤独だった。
今でもいじめた奴等が許せない。
顔を一人一人思い浮かべるだけで、
殺したくなる。
憎くてたまらない。
それでも、諦めずに何とか耐え抜き、
小さい頃からのこの夢は実現できた。
仕事は充実していた。
ある日、私の歯医者にたまたまいじめてた奴、
Aという名前の女が偶然来院してきた。
歯石をとってほしいとのこと。
治療は二回にも渡り、
二回目は私が診る事になった。
こんな所にノコノコ現れやがって。
二回目の診療が始まり、
私はAの口を診た。
数分後、Aは、
尋常じゃないほど血を流しながら
一目散に歯医者を出た。
他のスタッフが異変に気付き
ふと床を見た。
血まみれの包丁が落ちていた。
【解説】
語り手は昔自分をいじめていたAを殺すために
二回目の診療の際に包丁を持参した。
Aが尋常じゃないほど血を流していたのは、
包丁を口の中に入れたから。
もしかしたら
舌を切ったのかもしれない。
口の中に包丁を入れられる。
想像しただけでゾッとしてしまう…。
それにしても、
口の中に包丁を入れられ
どうやって逃げ切ることができたのだろうか…
跳ね飛ばしても包丁が喉に刺さるし
どうしようもない気がする。
