『ねぇ、やっぱり戻りましょうよ』
「……」
『悪ふざけで肝試しなんて、絶対良くないって』
「……」
『ここ、"出る"って有名な墓地だって分かってて、
こんな時間に来たんでしょ?』
「……」
『危ない目に遭っても知らないよ?』
「……」
『ねぇってば!』
「……」
『……なぁんだ、立ったまま失神してたんだ。
つまんないの。
もう少し度胸あると思ってたのに』
【解説】
『』の言葉は幽霊のもの。
ずっと「……」の人は
幽霊を見て失神してしまった。
幽霊がこんなにめっちゃ話しかけてきたら
恐ろしい…
と思うけれど、
ここまで会話が成り立つと
逆に怖くないかもしれない。
いや、でも、
幽霊がこうやって話しているからといって、
聞き取る側にとってはどう聞こえているのかわからない。
と考えるとやはり怖いか…