今日おれは友達と某高級料亭に来ている。
なぜ普通の大学生のおれが
こんなとこに来ているかと言うと
それは3日前にさかのぼる。
その日のおれはとてもツイてる
とは言えなかった。
彼女にフラれるし
赤点はとるし
柄の悪い人に絡まれるしで
さんざんだった。
でも
彼女とはしっかりとけじめをつけた。
なんか彼女は家に帰っていないようだが。
赤点も追試でしっかりと挽回した。
柄の悪い人逹とは今ではなぜか仲良しだ(笑)
おっと話がそれた。
その日唯一良いことがあったのだ。
それは福引で
あの某高級料亭の招待券(2等)を当てたのだ。
まあ個人的には一等のハワイ旅行に行きたかったが。
まあそんなこんなでここにいるのだ。
中に入るとバイト先とは
比べ物にならないくらい
店内はお洒落で綺麗だった。
そして店員さんに招待券を見せた。
店員さんはかしこまりました
と言って僕らを案内してくれた。
招待券の料理のコースは決まっていた。
フランス語で書かれていたので
何が出てくるかはさっぱり
分からなかった。
料理はどれもおいしかった。
オードブルは海老が大きくておいしかった。
もっとも海老の種類は分からないが(笑)
そしてメイン。
こちらの肉はすごく柔らかくおいしかった。
肉の種類はやっぱり分からないが
人の肉でないことは確かだ(笑)
デザートに関しては
ほっぺたの肉がおちるほどに
おいしく大好きなプッチンプリンも霞んでしまうほどだ。
ほんとに今日は来てよかったな。
【解説】
語り手は人の肉の味を知っている。
それはなぜか?
人の肉を食べたことがあるから。
一体誰の肉を食べたのか?
それは語り手をフッた彼女の肉。
語り手は彼女と
『しっかりとけじめをつけた』
その結果、
彼女は家に帰っていない。
それは、語り手が彼女を食べてしまったから。
柄の悪い人たちと仲良くなったのは
彼女を殺して食べたのをその人達に見せつけて
語り手を恐れてしまったから、だったりするのだろうか。
狂気的な語り手が恐ろしい。