【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】おそろい

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中学校の頃、おそろいにすることが好きな友達がいた。


文房具、洋服はもちろん、

 

その子はなんでも私とおそろいにしたがった。

 

「全部おそろいにできたら嬉しいかも」

 

なんて笑いながら言っていた。

 

私は幼くして両親を亡くし、親戚の家で世話になっている。

 

そのことがコンプレックスだった。

 

だから、両親ともに健在で、

 

なんでも買ってもらえるその子が妬ましいし、悔しかった。

 

おそろいが嬉しくないと言ったら嘘になる。

 

その子のことは嫌いではなかったし、むしろ仲が良かった。

 

今でもその子とは手紙でやり取りをするくらいだ。

 

 

ある日、彼女は学校を休んだ。

 

珍しい、と思った。

 

放課後、家に帰っても誰もいない。

 

それはいつも同じ。

 

さみしいけど、困らせるのは好きじゃない。

 

夜になっても帰ってこない。

 

今日は仕事が長引いているんだなぁ。

 

突然電話が鳴った。

 

彼女からだった。

 

「もしもし」

 

と言ったきり彼女は無言。

 

変だな?と思っていると、

 

彼女が一言だけポツリとつぶやいた。

 


「全部おそろいになったね」

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ある日』以降、

語り手が変わっている。

 

前半に出てくる、

『おそろいにすることが好きな友達(その子)』

というのは、後半の語り手であり、

 

後半に出てくる、

『彼女』

というのは、前半の語り手である。

 

前半の語り手が

『おそろいにすることが好きな友達(その子)』

の両親を殺すことで、

『おそろい』になった。

 

『今でもその子とは手紙でやり取りをするくらいだ』

とあるが、『中学校の頃』とあるので、

最初の語り手が少年院に入ったために、

手紙のやり取りとなっている?

 

とはいえ、後半の語り手は

『さみしいけど、困らせるのは好きじゃない』

と言っているため、

両親のことは好きだったはずであるため、

両親が殺されたのであれば、

すでに友達だと思ってはいないと思うのだが…

 

そのため、手紙のやり取りをしていても、

手紙の内容は恨みつらみでいっぱいなのではないだろうか…。

 

 

後半の語り手が

「おそろいにすることが好きだった」

ために起きてしまったこと。

 

こんなことが起きるとは予想できるはずもないが、

慎重に言葉選びをしなければいけないのでは?

と思わせられる話である。