この春私は大学生になった。
早く親から離れたかった私は
一人暮らしをすることにした。
親がいないこともあって
朝帰りすることも増えた。
大学でのテストも終わり
夏休みが近づいていたころ
郵便受けに数枚のチラシと共に
膨らんだ茶封筒が入っていた。
宛名は書いていない。
中身を確認すると
ビデオだった。
なんだか怖かったし、
宛名がない時点で不審だったので
ビデオを見ようとは思わなかった。
そんなことがあってから
何日かがたち、ビデオのことも
忘れつつあった。
ある日、2人の友人が泊まりに来た。
すると1人の友人が
茶封筒に入ったビデオを見つけた。
友人>なにこれ~
私>ちょっと いじんないでよ
友人>あんたまさか!ヤラシイものでも映ってんの?
私>そんなんじゃないって!
友人>じゃあ見てみようよ。
お酒の入った友人に押し切られ
そのビデオを見てみることになった。
そのビデオに映っていたのは
女性下着を身に着け、気が狂ったように踊る
40~50代の男性の映像だった。
友人2人は大爆笑。
私だけ震えが止まらなかった。
【解説】
ビデオに写っていた男性が身につけていた下着は
語り手のものだった。
しかも、踊っている場所も語り手の部屋。
自分の部屋に侵入し、
下着も身につけられ、
気が狂ったように踊ったビデオを見せつけられたのだから
震えが止まらなくて当然である。