A「今度山登りしようぜ!!」
全員「…………」
あれ?
A「おいおいどうしたんだみんな?行きたくないのか?」
B「いや、行くのはいいんだけどさ…」
C「お前方向音痴じゃん?」
D「しかも極度の」
A「う……」
そうなのだ。
俺、Aは自分でも自覚出来る程の方向音痴。
ディ●ニーランドに行こうとして、
間違えて首里城に行ったことがあるぐらいだ。
たまにみんなと山登りに行くのだが、
そのたびにみんなに迷惑をかけている。
C「また足手まといになるのはやめてよ?」
A「大丈夫だって、今度は方位磁石持っていくから」
D「はぁ、じゃあまあいいか」
A「よっしゃ、んじゃ明後日、●●山に集合な」
そして────
A「さぁ、油断せずに行こう」
B「お前はどこの手●部長だよ」
C「ってか心配なのはお前なんだって」
A「大丈夫だって!!」
12分後───
A「さぁ、迷ったぞ!!」
しかもみんなともはぐれた。
はぐれるのに方向音痴は関係ないよな。
ってか俺一人じゃ帰れないぞ。
●●山は木々が生い茂っていてルートもない。
A「………とりあえずみんなを探すか」
といっても、どこから探したもんか。
まぁ、歩いて行けばそのうち会えるだろ。
50分後────
A「あぁ、疲れた~」
みんなはどこへ行ったのだろう。
これだけ探してもいないなんて…
しかし暑いな。
太陽もギンギラギンにさりげない感じに………
A「………ん?」
太陽を見ようとして、
木のところにふと黒い影が目に入った。
俺は少しずつ近づいていき、
それを確認した。
Cだった。
枝が胸を貫通している。
死んでいる。
A「あ……あぁ…」
俺は怖くなって必死で走った。
その途中、首を切り落とされていたB、
血を全て抜かれたように白くなって倒れているDがいた。
A「くそっ!!くそっ!!」
走っても走っても、
似たような景色がずっと続いている。
俺は方位磁石を取り出した。
もしかしたらリングワンダリングが起きているかも知れない。
そう思って方位磁石を見ると、
針がぐるぐると回っている。
くそっ、ここは方位磁石がきかないのか?
と思ったら、方位磁石は
北西、北東、東、西、南西、南東
北西、北東、東、西、南西、南東
北東、南東
北東、南東
北東、南東
北東、南東
東、西、北西、北東、南東、南西
東、西、北西、北東、南東、南西
東、西、北西、北東、南東、南西
東、西、北西、北東、南東、南西
東、西、北西、北東、南東、南西
を指した。
次の瞬間には俺の身体は宙に浮いていた。
【解説】
方位磁石が指し示した順番に
方角を結んでいくと
数字が表れてくる。
デジタル数字で考えると
わかりやすい。
北西、北東、東、西、南西、南東
は2。
北東、南東
は1
東、西、北西、北東、南東、南西
は9。
それらが
複数回表されているおり、
22
1111
99999
となる。
この数字でトグル入力を行うと
22→き
1111→え
99999→ろ
つまり、
「きえろ」となり、
語り手達はみんな殺されてしまった。