ある国に、
双子の男の赤ちゃんが生まれました。
その赤ちゃんは、
とても変わった赤ちゃんでした。
なんと赤ちゃんが声を発するたびに、
口から宝石がこぼれ落ちるのです。
王様は大興奮。
お妃様を褒めちぎりました。
王「でかしたぞ!
こんな貴重な能力をもった子供を授かって、
我が国も安泰というものだ!」
王様は数週間の間、
飽きることなく王子たちが声を上げて、
宝石を床に散らす様子を眺めては、ご機嫌でした。
…
さて、そろそろこの特殊な能力を持った王子を
国民にお披露目しようという頃。
これまでたいそうご機嫌だった王様は、
あることを思いつきます。
これを実行すれば、
この国はさらに世界から注目を浴びることになるだろう。
お披露目の前夜、
王様は考えを実行します。
そして翌日、
誇らしげにお披露目式を執り行ったのでした。
【解説】
王様は
「特殊な能力を持っている子が世界に2人いるよりも
世界に1人しかいないと公表した方が価値が高くなる」
と考え、双子のうちの1人を殺すことに決めた。
子供をモノのように『価値』として見て、
殺しまでしてしまうなんて恐ろしい…。
こんな王様にはついていきたくないなぁ…。