ここは俗にいう異世界だ。
この世界では戦争なども起こらず、
ここ数百年は平和だった。
そんな中に邪魔なモノを消す力を手にした人間がいた。
彼の前では壁も、人も、石も、何もかもが無力。
その力を悪用し、彼は世界の王となった。
今まで何一つ障害物が無い人生だったので、
王になってもつまらない。
そこで民衆に暇潰しの方法を募った。
そこで聡明な一人の医者が進言をした。
――そうか…その方法があったか。
その後、その国は平和になった。
【解説】
聡明な一人の医者が進言をした内容は、
「暇と感じてしまう感情を消してしまわれたらどうでしょうか?
全て消せば憤りや不満も感じなくなるのではないですか?」
というもの。
もちろんこれは王の暇を潰すためのものではなく、
王自身の感情を消滅させてしまい、
廃人にしてしまおうという魂胆だった。
王様はこれを実行したため、
廃人となってしまった。
そして、王がいなくなった世界は
平和になった。