公的な手続きに戸籍謄本が必要になり、
母にとってくるように頼んだ。
しかし、母はとても狼狽し、
親父が帰宅してから家族会議になった。
親父「気をしっかり持って聞いて欲しい。
お前は俺たちの子じゃないんだ。
本当は成人してから話すつもりだったんだが、
戸籍を見たら分かって解ってしまうからな…」
そうやって親父が見せてくれた戸籍謄本には、
祖父の籍に養子として入っている俺の名前があった。
俺は狼狽しながらも何とか気を強く持ち、
二つの疑問を口にした。
俺「俺のことについては解った。
二つ聞かせて欲しい。
一つ目は、なぜ祖父の籍なのか。
もう一つは、もう一人の養子の男の子は誰なのか」
親父「一つ目は、俺が正式には結婚してないからだ。
もう一つは…」
【解説】
母親は祖父のもう一人の容姿の男の子。
つまり、元男。
男同士では結婚できないため、
祖父の養子として迎え入れ、
二人は家族になった。
そして、子供を育てるために
語り手を引き取り、養子とした。
ずっと母親だと思っていたのが元男だったと聞いたら、
どんな衝撃を受けるだろうか?
養子であっただけでも狼狽しただろうに。
少し気になるところである。