俺はある大学の
「心霊スポット研究会」というサークルに所属している。
メンバーは俺、A子、B男、C男の4人だ。
月に一度か二度心霊スポットを見つけては徘徊して楽しんでいる。
ある日A子がパソコンを見ながら
「今度はここにいってみない?」
と言った。
パソコンの画面を見ると、
そこには「絶対に出る!」とか
「生きては出られない!!」とかいろいろな煽りが書いてある。
ぱっとみ「廃墟」て感じの屋敷だった。
嘘臭い感じがバリバリでていたが、
俺もB男もC男もそこにいくことには反対じゃなかった。
なので、
4人で適当に時間をあわせて
その廃墟に行くことにした。
当日、廃墟の前に集合して
取り敢えず中に入ろうということになったので、
4人全員で中にはいった。
夜中で暗いため、
俺が懐中電灯を持ち、
近い部屋から順番に回っていった。
そして、特に何が起こったりもせずに外に出てきた。
「なんだよ~、結局なんもでないじゃねぇか!!」
俺たちは口々にそんなことをいっていた。
するとC男が
「メガネーッ!!」
と叫んだ。
あまりに唐突なその声に俺もA子もB男も反応できずにいた。
「メガネーメガネーメガネー!!」
C男は叫び続けている。
「メガネ落としたのか?
メガネくらいでそんなに騒ぐなよ」
俺はそういったが、それでもC男は
「メガネーメガネー」
と言うのをやめない。
不信に思った俺は、
C男に懐中電灯を向けた。
懐中電灯を向ける直前に俺の頭にふとあることがよぎった。
「C男ってメガネかけてたっけ?」
そして懐中電灯に照らし出されたC男の姿をみて俺は思った。
「あぁ、それでメガネか…」
【解説】
C男はメガネのことを言っているわけではなく、
「目が無い」事を言っていた。
それを冷静に思う語り手が一番怖い。