ある町の市場でとても美味しい赤カブを作ることで有名な美人女性がいた。
俺はフリーライターとしてインタビューさせてもらうことになった。
その女性は家の畑で育てているのだという。
秘訣をきいてみたところ、
「ストレスがないからかしらね」
なんて、笑顔で返されてしまった。
確かにそうなのかも。
有名な野菜とか家畜は、
そういう風に言ってるのをテレビで見たな。
「そうそう、家の赤カブって鉄分とカルシウムが豊富らしいのよ。
でもね、早く食べないと黒く変色しちゃうの…」
そんな秘密ありげな畑を見せてもらうことはできないか？
と聞いてみたが、無理らしい…
気になる…どうしても気になる。
俺は決めた。
こっそり覗いてみよう。
翌日、俺は行動にうつした。
こういうことだったのか…
【解説】
語り手は殺され、肥料にされてしまった。
赤カブは血の色から、
鉄分とカルシウムは血と人の骨。
『ストレスがないからかしらね』
というのは、
赤カブに対してではなく女性自身。
つまり、ストレスになる人を狙って殺し、
畑に埋めている。
どのくらい人を殺したかはわからないが、
捕まる気配もなさそうなので
殺し屋としても生きていけそうである…。
