「赤ずきん、赤ずきん!」
『なあに、お母さん?』
「パンと葡萄酒を持っておばあちゃんの所にいってくれない?」
『でもお母さん、おばあちゃんは…分かったわお母さん』
「あっ、これを被って」
『まあお母さん。また頭巾を作ってくれたのね。ありがとう。
でも今日は赤じゃないのね』
「今から染めるのよ」
『ああね』
ゴツン。
【解説】
頭巾は赤ずきんの血で赤く染められた。
そもそも、
『でもお母さん、おばあちゃんは…』
とためらっていることから、
すでにおばあちゃんは死んでいると思われる。
つまり、頭巾を赤ずきんで赤く染めたということは
「死んでおばあちゃんのところに行け」
ということ。
ちなみに『ああね』は
『あぁ、なるほどね』
『あぁ、そういうことね』
という納得の意味合いで使う言葉。
つまり、赤ずきんはこの後殴られることに納得しているようだ。
そのように納得する赤ずきんもまた怖い…。