ボクはクラスの中でも地味な方で、
女のトモダチなんて全くと言っていいほどいない。
そんなボクの下駄箱に、一枚のテガミが入っていた。
「一目見てスキになりました。
タイプだなぁと思って。
ヒトメボレってやつですね」
肝心な差出人のナマエが入っていなかった。
でもボクは嬉しかった。
こんなボクのことをスキになってくれるヒトもいるのだと。
次の日、またテガミが入っていた。
「一度フタリで会いませんか?
タダ会いたいだけなのです。
ヒトリでは生きていけません」
ボクは会いたかった。
でもドコに行けばイイのかわからなかった。
また次の日、下駄箱にテガミが入っていた。
「一丁目のカフェで。
タイム:夕方6時
ヒトリで来てくれたら嬉しいです」
ボクは部活が終わると、
急いで一丁目のカフェに向かった。
イミもワカラズニ。
【解説】
全ての手紙の1文字目を縦読みすると
一タヒ
↓
一
タヒ
つまり、「死」となる。
死の手紙を送られ続けていた語り手は、
カフェに行くことで死んでしまうことになるだろう。
どんな殺され方をしてしまうのだろうか…。
…カフェで人が死んでしまったとしたら
そのカフェにただいな迷惑がかかるんだけどなぁ、
とも思ってしまった。
人に迷惑をかけるのはやめましょう。