音大生の由美はクラシック音楽をこよなく愛する18歳。
最近一人暮らしを始めたばかりで
心細くなってはipodを取りだし
大好きなクラシックに耳を澄ませている。
自分がクラシック好きだということは学校の友達の中では有名だが、
由美の派手な見た目からは想像も付かないかもしれない。
ある日由美が家に帰ると
外から美しいメロディーが流れてきた。
「これはショパン♪」
思わず窓を開け、耳を傾けた。
まさか近所にクラシック好きが近所にいたなんて!
それからは、家に帰ると
外からクラシックが聴こえる日が
毎日ではないにしても訪れるようになった。
「遅い時間に帰るとクラシックが聴けないみたいだから、
今日は早く帰ろう」
【解説】
クラシックはいつも帰ってきてから
外から流れてくる。
家の中で窓を閉めていても聞こえてくるぐらいの音量で音楽を流していたら、
家に入る前にも聞こえてくるはず。
しかし、クラシックは家に帰らないと流れて来ないようだ。
それはなぜか?
流している人が由美さんが窓を開けている姿を見たいからである。
遅い時間になるとクラシックを流さないのは
夜になると由美さんを見ることができないから。
そんなストーカーにつきまとわれている由美さん。
現状は実害がないから良いが…
今後も実害がないことを祈りたい。