うさおがしんだ。
先生はないしょにしてるけど、
わるいやつにころされたんだってみんないってる。
うわさではあやしい男が
学校のまわりでウロウロしてるらしい。
その男のしわざなんじゃないかってうわさ。
まいにちそのはなしばかり。
ぼくはしんそうをたしかめるために
そいつをまちぶせすることにした。
ほうかご、ぼく一人きり。
いた。
きっとあいつだ。
ぼくに気づいてちかづいてくる。
「君、一人?」
「最近不審者が出るらしいから…」
言いおわるまえにカッターでつきさした。
「ぼくよりめだってんじゃねーよ」
【解説】
語り手がうさおを殺して目立とうとしたのに、
そこに間が悪く不審者の話が入ってきた。
そのため、語り手がうさおを殺したのに
あたかも不審者によって行われたことだと誤解され、
語り手は不満が募った。
その結果、不審者に苛立ち、カッターで突き刺した。
『ほうかご、ぼく一人きり』
のほうかごは放課後だと思ったけど、
ここまで壊れている語り手であれば、
「放火後」でもおかしくないなぁ…。