エミをナイフで突き刺して殺した。
めった刺しだ。
2人のためにはこうするしかなかった。
悲しいけど、これは愛するがゆえの結末なんだ。
顔を分かられないように潰した。
指紋も残さないように
指先を剥ぎ取って、彼女が着ていたシャツにくるんでコンビニのゴミ箱に捨てた。
その他の衣服は河原で燃やした。
僕は別れを惜しみながら最後の電話をかけた。
当然ながら誰も出ない。
そのまま留守電に繋がる。
泣きながら嗚咽混じりの声で、
ゆっくりと語りかける。
「…今から君の所に行くよ。
…これからはずっと一緒だ。
えみ…愛してる。
ずっと一緒だよ。」
僕はナイフと一緒にえみの所へ行く。
残酷な事実は残さない。
僕たちは翌年結婚し、
二年後には子供が生まれ、
幸せに暮らした。
【解説】
エミとえみは別人。
語り手は二股をかけており、
本命のえみと結婚するためにエミを殺した。