さあ、夕食の時間だ
パカ、グチョ
「かはあ、ああ」
今日は最上級のフォアグラだ。
濃厚なねっとりしたソースが絡まっている
さっそく、ナイフを入れた
「おヴあああ」
そっとフォアグラを口に運ぶ。
とろけそうだ。
「ボ、ぼくも、タべたいぃナ」
よし、いいとも
「お、おいしぃい・・」
どうやら口にあったみたいだ
その後も彼とおしゃべりしながら料理を口に運んでいたら、
彼の口数がだんだん減り最後には黙り込んでしまった
「・・・ありがとう、君の料理はおいしかったよ」
【解説】
『彼の口数がだんだん減り最後には黙り込んでしまった。』
『・・・ありがとう、君の料理はおいしかったよ』
は、「彼=君」であり、
『君の料理』とは「彼が作った料理」ではなく、
「彼を材料として作った料理」のこと。
つまり、生きたまま彼の肝臓(フォアグラ)を食べている。
『パカ、グチョ
「かはあ、ああ」』
『さっそく、ナイフを入れた
「おヴあああ」』
というやり取りから、
そもそも料理としてではなく、
彼の肝臓が彼についたまま食べているんだろうなぁ…
想像しただけで気持ち悪くなってしまって、
正直食欲が失せてしまった…