ある日営業から会社に戻ると、
一枚の付箋が机に貼ってあった。
書かれていた内容は、
[メイド喫茶で木村拓哉が几帳面な又吉直樹とスマホ遊び]
意味がわからない。
明日の日付けと時間も書かれている。
同僚達に聞いても、
誰にも覚えがないという。
誰かの悪戯だろうと、
付箋を捨て、帰路に着いた。
次の日の朝、
駅のホームで電車を待ちながら、
ふと昨日の付箋を思い出した。
文面には覚えは無い。
だが書かれていた日付けは今日で、
時間はちょうど今時分なのだ。
そして電車がホームに入って来た時、
私は付箋の意味を知った。
【解説】
「メ」イド喫茶で
「木」村拓哉が
「几」帳面な
「又」吉直樹と
「ス」マホ遊び
つまり、
メ几
木又ス
殺スとなる。
指定された日時が記載されているので、
その日のその指定された日に殺すという事。
なので、
『電車がホームに入って来た時、
私は付箋の意味を知った』
と、入ってきた電車に突き落とされた。
語り手がこの暗号に気づいたり、
体調を崩して休んだり、遅れたりしていたら
この暗号の通りに殺すことはできなかったわけだが…
日本は電車は時間通りに来るし、
毎日通い慣れた場所であれば
ほぼ同じ時間で通勤している人が多いから
不測の事態さえなければ
指定した時間通りに目的を果たせるだろう。
ただ…事前に知らせるメリットがないのだが、
そこは残された最後の良心とでも言うべきところなのだろうか…