私の会社の社員Rは困った奴で、
本当に手を焼かせる。
雨が降ると誰が相手だろうと手を出すのだ。
だが精神を患ってるとか気が狂ってるとかでは無く、
癖の様なものだ。
その度尻拭いをするのは、私の役目だ。
しかし、今回ばかりは本当に困った。
取引先の担当者W氏と
当社の売却予定地で商談した日の事だ。
午前中は晴れていたが、
正午頃にゲリラ豪雨に見舞われてしまった。
気が付いた時には、
RがW氏に向かって手を出した後だった。
しかも今回は足までも出し、
ついには頭まで出してしまった。
いきなりで面食らったのか、
W氏は目を丸くし
大声で俺に喚き散らし、
警察に通報しようと傘も刺さず逃げ出した。
やれやれまたか……。
私はいつもの尻拭いの為、
傘を持ってW氏を追いかけて行った。
【解説】
社員Rは「私」に殺され埋められている。
場所は『当社の売却予定地』
『雨が降ると誰が相手だろうと手を出すのだ』
雨が降ると、土壌の影響か地表に露出してきてしまう。
そのため、「誰かいても誰もいなくても」手を出してしまう。
今回のゲリラ豪雨でW氏にばれて
『私はいつもの尻拭いの為、
傘を持ってW氏を追いかけて行った』
傘でW氏を殺しに行った。
殺して埋めて、
それを見られたからと殺しにいく語り手が怖いが…
なぜそんな簡単に見つかるような場所に埋めているのだろうか?
「見られたら口封じに殺さなきゃね☆」
とかいう理由をつけたいがためだったり…?