ある化学者が画期的な薬を作り出した。
それは「麻薬・覚醒剤の類を浄化する」薬で、
脳の活性化も促す。
その効能の凄さに医学や化学に携わるものは、
この薬の処方箋や原料を知りたがったが
化学者は一切そのことは外部に漏らさなかった。
「先生、原料が来ました」
「ご苦労、血清と同じなんだよ、様は」
「そう、ヘビの毒を受けたものが身体で抗体を作るように」
「それを考えれば原料なんて簡単に分かるはずなんだがな」
「でも、それをいったら・・・・」
「そうだな」
【解説】
会話の流れを考えると、
「麻薬中毒者の血液」
を利用しているのだろう。
大量の血液が必要だろうが、
そこまで麻薬中毒者がいるわけでもない。
となると、麻薬中毒者を殺して血液を採取しているか、
拷問のようにずっと血を抜いているのかもしれない。
ずっと血を抜かれていると考えると
正直ゾッとしてしまう。
ただ、ヘビの抗毒血清を作る場合は
別の動物から作るようだ。
馬や羊、ヤギなど。
とはいえ、科学者は外部に漏らさないし、
原料を想像して少し引いているところを見ると、
やはり非道徳的なこと、
麻薬中毒者から血液を採取していると思って良いだろう。