ある日、僕が散歩に行くと近くの公園で娘が遊んでいるのを見た。
時間は午後5:00を過ぎた頃だった。
僕は、「外が暗くなる前に帰ろうか」と娘に言った。
娘は「うん」と言い、公園を出た。
こんなに正直に僕の言うことを聞くのは初めてだった。
僕は持っていたペロペロキャンディーを娘に与え、
娘をおんぶして帰った。
家は公園のすぐ近くだからまだ娘はキャンディーをなめていた。
30分程すると外は暗く、騒がしくなった。
外に出ようとする娘を抑え、僕は決心した。
次の日僕は捕まった。そして、ニュースが流れた。
『今日未明、42歳、独身、無職の男性が・・・』
【解説】
『今日未明、42歳、独身、無職の男性が・・・』
とあることから、
『娘』は語り手の娘ではなく、他人の娘。
つまり、語り手は誘拐犯。
そして、誘拐目的は身代金ではなく『娘』自身。
『こんなに正直に僕の言うことを聞くのは初めてだった。』
とあることから何度か同じことを行っていたものの、
未遂で終わっている。
『外に出ようとする娘を抑え、僕は決心した』
『次の日僕は捕まった』
ということから、
語り手は娘を殺した?
しかし、せっかく誘拐した娘を
そう簡単に殺すだろうか?
きちんと親の元に返し、
自首を行ったことにより逮捕されたと思いたいところである。
それにしても、
こういう人が世の中に実際にいるのだから
正直怖い世の中になったものである。
しかし、そういう人が出てきたために
子供に親切にしただけで通報されるのだから、
親切にすることすら許されない今の世の中になったことの方が
怖い世の中になったと思ってしまう。