人事部へ
ボブ・スミスは、私のアシスタントプログラマーです。彼はいつも
自分の持ち場で仕事に専念しております。一方,ボブの同僚たちは
おしゃべりに夢中で、会社の時間を無駄に費やしています。ボブは
積極的に仲間達の仕事を手伝います。彼の手伝いがなかったならば、
仕事が時間どおりに終わることは決してありません。また,ボブは
休憩時間を返上してまで、職務に打ち込んでいますが、他の連中は
だらだらと休み続けます。ボブは,職務や専門分野における知識が
非常に豊富であるにもかかわらず、そのことに鼻をかけることは
まったくありません。もし、ボブがこの会社にいなくなったならば,
仕事は停滞してしまうことと存じます。彼の待遇をより改善すれば
会社の利益になると思料いたします。つきましては、ボブを直ちに
我が社の幹部に昇格させるべきと推薦いたします。本提案について
処理くださるようお願いいたします。
プロジェクト・リーダーより
【解説】
偶数行に不自然なスペースがある。
なので、奇数行だけ読んでみると、
「ボブ・スミスは、私のアシスタントプログラマーです。彼はいつも
おしゃべりに夢中で、会社の時間を無駄に費やしています。ボブは
仕事が時間どおりに終わることは決してありません。また、ボブは
だらだらと休み続けます。ボブは、職務や専門分野における知識が
まったくありません。もし、ボブがこの会社にいなくなったならば、
会社の利益になると思料いたします。つきましては、ボブを直ちに
処理くださるようお願いいたします。」
となる。
元の文ではボブは他の同僚とは違い、
ものすごく優秀な社員に見える。
しかし、現実は…
この文章はおそらく誰かに見られていたために
こんな書き方をしていたのだろう。
では誰に見られていたのか?
見られてまずいのはボブしかいないため、
この文章を見ていたのはボブである。
会社の時間を無駄に費やしているとあるため、
のぞき見していたとしてもおかしくはないだろう。
ただ、それにしたって、
明らかに持ち上げ過ぎな内容である。
これを見てボブは
「やはり私は優秀だ!幹部になれる実力だってあるんだ!」
なんて思ったのであれば、
自惚れすぎていてそれはそれで怖い話である。
ただ、ボブにはわからないように
こんなやり方で送っているということは
ボブは相当な問題児なのだろう…。
褒め称えないと暴れてしまうのだろうか…?