私はこの会社に勤め始めてから3日になる。
社員募集の看板を見て、入社したのだが、
すんなりと面接も通った。
社員は非常に少ない。
私を入れて6人らしいが
私以外の社員に私はまだ会っていない。
この会社は個室で仕事をするため
部屋には独りでいる。
その静寂さが良いと思い、
私はこの会社に決めたのだ。
そして今日社長から部屋の移動を命じられた。
部屋のパソコンのメンテナンスを行うためらしい。
私は地下の部屋に案内された。
一見、普段の私の部屋と変わった所はない。
私は早速仕事を始めた。
時々隣から大きな、何かぶつかる音がするが、
気にせずに仕事を進めた。
2時間くらい経ったころ、
尿意を感じた私は便所へ行こうと、
イスから立ち上がった。
そして、部屋を出ようとして異変に気がついた。
「このドアどうやって開くんだ?」
ドアノブがなかった…。
【解説】
『時々隣から大きな、何かぶつかる音』
語り手以外の人が体当たりでドアを壊そうとしているか、
外の人に開けてもらえるように訴えていたのだろう。
会社の目的がよくわからないが、
もし部屋から出れなくなったらどういう行動を取るのか?
を研究していたのだろうか?
このまま開けてもらうことができなければ、
語り手は死んでしまうが、
こんなことをやっているとバレてしまったら
会社も危ないからこのまま出られそうにないように思う。
さて、語り手はこれからどうなってしまうのだろうか?