長年連れ添ってきた妻が死んだ。
帰ってみるが家は暗くてだれもいない。
仏壇の上に置かれたチャーハンは腐ってる。
ついに怒りが噴出し、無我夢中でちゃぶ台やらなにやらをひっくり返す。
そして俺は泣いた。泣き続けた。
どうしてお前だけが天国に行けたんだ?
【解説】
『どうしてお前だけが天国に行けたんだ?』
という言葉から、
すでに語り手も死んでいる。
そして、話の流れを見る限り、
妻が死んだことではなくて、
語り手も一緒に天国に行くことができず、
この世を彷徨っていることを
怒り悲しんでいる。
妻の死を悲しんでいないということは、
この語り手は無理心中を図ったがために、
この世を彷徨っているのかもしれない。