【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】うたた寝

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電車でうたた寝しちゃってたみたいだ。

 

肩をポンポンっとたたかれてハッと目が覚めた。

 

見上げると見たことのない陰気くさいおっさんが立っていた。

 

「つきましたよ」

 

とそのおっさんは言う。

 

え?寝過ごした?

 

あわてて立ち上がってホームへ駆け下りる。

 

ドアが閉まって気づいた。

 

なんだよ!降りる駅じゃないぞ。からかわれた。

 

走り出した電車を見ると、

 

そのおっさんが妙にすがすがしげに背伸びして笑ってやがる!

 

くそ!たちの悪いおっさんだ。

 

しゃぁない。すぐ次が来るだろうし。

 

・・・にしても、寝違えたかな。肩が重い

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『つきましたよ』 = 『憑きましたよ』

のパターン。

 

語り手は霊に憑かれたため、

『・・・にしても、寝違えたかな。肩が重い』

と言っている。

 

『陰気くさいおっさん』が

『妙にすがすがしげに背伸びして笑ってやがる!』

とすがすがしげになっているのも、

憑いていた霊を語り手に引き渡すことができたからだろう。

 

 

語り手は

「着きましたよ」

と言われたと思ってホームへ駆け下りたが、

見知らぬ人が語り手の降りる駅を知っているはずがない。

 

しかし、語り手はドアが閉まるまで気が付かなかった。

 

寝起きで頭が回転していなかったところに、

「寝過ごした!」

と思ってしまったら、

冷静に考えられず、

すぐに下車してしまうのも無理はない。

 

 

もしかしたら、このおっさんは、

肩をポンポンと叩くだけで霊を渡すことができたかもしれないが、

霊を渡した語り手を下車させることで

自分に戻ってくることは確実ないと考え、

「つきましたよ」なんてわざわざ言ったのかもしれない。

 

こうなることを想定していたのであれば、

このおっさんは策士であったと言わざるを得ない。