【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】謎の声

スポンサーリンク

俺、葉山真司(はやましんじ)は仕事を終え、
同僚と居酒屋へ飲みに来ていた。

 

「俺、そろそろ帰るわー」

 

「もうかえんの?お疲れーっ」

 

なんか、からだがだるい。

 

速く帰って寝よう。

 

そう思って、
途中で帰ることにした。

 

暗い道を歩いた。

 

まあ、いつものことだ。

 

酔っているのか、
おぼつかない足取りで歩いていた。

 

いつものように曲がり角を曲がろうとしたとき、
誰かの声が聞こえた。

 

『真司前!』

 

「…え?」

 

いきなり言われて驚き、
立ち止まった。

 

そして、前を見ると

 

『ブロロロッ…』

 

トラックが
俺の目の前を結構なスピードで通過していったのだ。

 

「っぶねー…」

 

もし、声がしなかったら
俺は轢かれていたかもしれない。

 

しかし…一体誰が…?

 

まわりには、誰もいない。

 

まさか、守護霊ってやつ?

 

まさかな(笑)

 

まっいっか!

 

それより、早く帰って寝たいんだ。

 

真司は、足早に自宅へと向かった。

 

翌日、
いつものように起きた真司は会社へ行くために、
駅へ向かった。

 

『ヴーッヴーッ』

 

ん?メールだ。

 

真司は携帯を取り出し、
メールを見た。

 

同僚からだ。

 

まあ、そうたいした内容ではなかった。

 

そして、
返信を打っていると、
またあの声がした。

 

『真司前!』

 

「え?っうおっ!」

 

目の前には階段があり、
あと一歩のところで、
危うく転げ落ちるところだった。

 

またあの声か…

 

いやぁ、ありがたい。

 

おかげで助かったよ。

 

守護霊かなにか知らねーけど、
感謝するぜ!

 

そう、心に思った。

 

それから、
何回かその声に助けられることがあった。

 

いやぁありがたい。

 

これからもよろしく頼むぜ!

 


…しかしある日、

真司は上から降ってきた鉄柱が刺さり、
病院へ運ばれたが死亡した。

 

そのときも、
あの声がしたらしいが、
今回は前でなく上。

 

残念ながら真司は気づかず、
そのまま死んだ。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

声の主は

語り手を助けたかったわけではなく、

語り手に死んでほしいと思っていた。

 

『真司前!』

『死んじまえ!』

のこと。

 

たまたま語り手の『真司』という名前と『前』と解釈して

前方に注意することで危機を逃れていたが、

本当の言葉は

『死んじまえ!』

だったので、

前方にだけ注意していた語り手は

上から降ってきたものを対処できなかった。

 

 

それにしても…

『死んじまえ!』

と言わないと語り手を危機に晒すことができなかったのだろうか…?

 

なんだか難儀な能力のように感じてしまう…

 

『何回かその声に助けられることがあった』

とあるから、

語り手に取り憑いていたであろう悪霊も

苦労したんだなぁ…