1年前に行方不明になった2人の友人ABのうちAが見つかり、
私はBを探すためにAに話を聞こうと近くの洋食屋にAを呼んだ
Aは事件のショックでその時のことをあまり覚えていないらしかったが、
どうしても話が聞きたかったのだ
私が洋食屋に着いて15分ぐらいたったころだろうか、Aが店に現れた
Aは普段肉を食べないのにBの好きだったハンバーグを頼み、
私も同じものを頼んだ。
「襲われたときのことは覚えているのよね?」
「うん…あの日はBが最近調子が悪いってのを聞いて、
私が当時通ってた病院に一緒に連れて行ってあげて
健康診断をしていっしょにして
その帰りだったんだけど、
白いワゴン車が後ろから迫ってきて、顔を隠した男…だと思うけど、
2人出てきてワゴン車に押し込められてその後目隠しされて
…それからはあまり記憶がないの」
「そっか…なんかごめんね嫌なこと思い出させちゃって…」
「いいよそんなこと気にしないで、じゃあそろそろわたし帰るね」
「そう、じゃあまた今度ね」
その夜、Aから電話がかかってきた
何でも思い出したことがあるから今日と同じ場所に来てほしいとのことだった
今日は始めていくところだったので道に迷ったが
明日はまっすぐに行くので時間どおりに来てくれとのことだった
私はこれがBを見つけられるきっかけになればいいと思いつつ眠りに付いた
【解説】
Aは大きな病気を持っていた。
そのため、Bに健康診断を受けさせ、
健康なことを確認してから、
仲間にAとBを襲わせ、
Bの臓器をAに移植した。
Aも一緒に襲わせたのは、誰かに見られていた時に
自分を被害者のようにう見せることができるため。
1年間行方不明になっていたのは、
移植と治療のためだろう。
Aは普段肉を食べないのにBの好きだったハンバーグを頼んだのは、
臓器移植により、嗜好が変わったため。
しかし、なぜ最後にAは語り手を呼び出すのだろうか?
被害者に見せるための計画的犯行を行っているのであれば、
嘘をついたことを告白するためとは考えにくい。
Bを探しても真相までたどり着かないだろうけれども、
万が一のこともあるため、
語り手を始末する、のが理由だろうか。