ある男の人が私に話しかけてきた
なかなかいい男でしゃべり方も丁寧だ。
彼は友人の従兄弟だった
引っ越してしまったため友人の場所がわからなかったらしい。
それで私に聞いてきたのだ。
話も弾んで、そのまま友人と別れた後、友人に電話をかけてみた。
「アンタ、あんな素敵な従兄弟がいるなんてもっと早く言ってよ」
「ん？両親ともに一人っ子だけど」
【解説】
『両親ともに一人っ子』
であれば、従兄弟は存在しない。
となると、この従兄弟を名乗った男は、
友人のストーカーといったところだろう。
ストーカーとして付け回していたため、
友人関係も把握しており、
語り手に声をかけた。
本当の従兄弟であれば連絡をすれば良いだけ。
連絡できない、教えてもらえないのであれば、
その従兄弟側の家族に問題があるということ。
従兄弟だけがその友人と仲が良かったから、
自力で探そうとしていた…なんてこともあるのかな？
しかし、そうなると語り手が友人同士ということもわからないはず。
手当たり次第に声かけてるわけもないだろうし…
なので、基本は従兄弟と言われても、
事実であることは皆無に等しい…はず。
今回の話はそもそも従兄弟がいないので、
蛇足になった話ではあったが、
従兄弟と思って個人情報をペラっと話してしまった語り手。
”困っている人を助けたい”
と、人は考えてしまうものだと思うが、
個人情報の取り扱いには気を付けたいところである。
