先日から、インドに旅行に来ている。
観光地ではないスポットを回り、
最終日には珍しい物が食べられるというマニアックなツアーだ。
ツアーは滞りなく進み、2日前、寂れた寺院に行った。
そこで老人から「予知夢が見れるようになる儀式」をされた。
その日の夜、俺は農場でひたすら牛の体を洗う夢を見た。
次の日の夜は、海の中で巨大なエビに追いかけられる夢を見た。
しかしツアーの中では、農場にも海にも行かなかった。
予知夢は全く当たっていない。
昨日の夜、夢にはあの老人が現れて、俺をバカにするかのように笑っていた。
今日はツアーの最終日、午前中は自由行動だ。
昨夜の夢で腹が立った俺は、あの寂れた寺院に再び訪れた。
老人は既にいなかったが、寺院にいた若い男から話を聞くことができた。
「ああ、あのジジイの予知夢か。次の日の夕食が分かるとかいう、くだらない力だろ。」
そう言われて俺は気づいた。
昨日の夕食は牛肉で、今日の夕食はエビだった。
確かに予知夢の力は本当だったかも知れないが、なんてくだらない能力なんだ。
【解説】
『その日の夜、俺は農場でひたすら牛の体を洗う夢を見た。』
で
『昨日の夕食は牛肉』
『次の日の夜は、海の中で巨大なエビに追いかけられる夢を見た。』
で
『今日の夕食はエビだった。』
そして、最終日
『昨日の夜、夢にはあの老人が現れて、俺をバカにするかのように笑っていた。』
つまり、この日の夕食は…
『最終日には珍しい物が食べられるというマニアックなツアーだ。』
珍しい物、”老人の肉”だろうか。
『老人は既にいなかった』
とあることからすでに老人は食料にされていたのかもしれない。
他には
『バカにするかのように』が当てはまり
『馬と鹿』が料理に出てくるのかもしれないが、
『最終日には珍しい物が食べられるというマニアックなツアーだ。』
というくらいだから、『馬と鹿』では物足りない気もする。