1週間ほど前から、どうやらストーカーに遭っているらしい。
仕事から帰ると、部屋の郵便受けに毎日手紙が入っている。
手紙と言っても小さな紙切れで、いつも一言だけしか書いていない。
最初に見たのは「おかえり。」だった。
2日目には「喋りたいな。」っていうのが入ってた。
3日目は「いま暇してる?」、4日目は「連絡ください。」だった。
5日目は「逃げられないよ。」と、だんだんエスカレートしてきた。
6日目は「いつなら会える?」7日目「まだ気づいてくれないの?」
さすがに怖くなって、警察に連絡しようか悩んだ。
でも8日目の今日「すみませんでした。もう手紙は入れません。」っていうのが入ってた。
結構マジで怖かったが、これで安心だと思う。
【解説】
『おかえり。』
『喋りたいな。』
『今何してる?』
『連絡ください。』
『逃げられないよ。』
『いつなら会える?』
『まだ気づいてくれないの?』
『すみませんでした。もう手紙は入れません。』
これらの一文字目を読むと、
「おしいれにいます」
『押入れにいます』
となる。
手紙にどこまで意味があったのかわからないが、
『まだ気づいてくれないの?』
というものが、
「もう押入れにいるのは限界です…早く気づいてください…」
という意味だったらちょっと面白いと思ってしまった。
いや、ストーカーで押入れにいる時点で、
勘弁してほしいが…。
『すみませんでした。もう手紙は入れません。』
は諦めたわけではなく、
文章が完成したからもう手紙を送る必要がなくなった。
つまり…これから押入れから出て、
姿を見せる、ということだろう…。
語り手さん、早く逃げてーーー!!