男は車を走らせていた。
道の途中で道に迷ったがどうやら抜け出せ、まぁまぁ分かる道まで出てきた。
そこは2つの道に別れており、右はかなりの遠回りの道、
左は近道となる一方通行の道だ。
だが道の途中に昔火事がおきて何人もの人が死に、
今では霊となってでてくると噂のトンネルがあるのだ
もう夜の1時。早く帰らないと妻が怒るので
仕方なく左のトンネルがある方へ車を走らせた。
左の道を進ませて数分後、例のトンネルを通るときがきた。
(怖いなぁ…早く通り抜けたい)
すこし速度を飛ばし、なんとか通り抜けることができた。
だがなぜか対向車の車がびっくりしたような顔でこちらを見てくるのだ。
何人も何台もこちらをみて驚いている。
男は少し怖くなったが街に出てきたところでコンビニに立ち寄った。
店の中で何のコーヒーを買うか悩んでいるとひとりの中年男性が声を掛けてきた。
中年男性
「さっき貴方の車とすれ違ったんですが何故貴方の車の上に
何人もの人がしがみついていたんですか?
私、それを聞きたくて引き返してきちゃいましたよ」
男はびっくりして、車の方へ急いで戻った。
車を見ると何百もの手形がびっしりと付いていた。
【解説】
「車に何人もの人がしがみついていた」
「車を見ると何百もの手形がびっしりと付いていた」
となると、普通の心霊現象として怖い。
が…
『左は近道となる一方通行の道だ。』
とある。
しかし、何台もの対向車とすれ違っている。
一方通行なのになぜ対向車とすれ違うのだろうか…。
声をかけてきた中年男性が幽霊??
それとも、語り手がそもそも一方通行を逆に走行していた?
一方通行を逆走していたのであれば、
心霊現象とはまた違う怖さがある。