廃旅館にきもだめしに行った。
地元では有名な心霊スポットだからか落書きがひどい。
「よしゆき参上」「けいこは俺のもの」etc…
天井や四つん這いになって床まで隅々と見たが、その中にかなり怖いものがあった。
「シシシ死シシシシシ死シシシ死死ししししし
死シシ死し視ししし視しししししししし死ししし
シ死シシシシシ死し視シ死シシ視し死シシ死」
執拗なまでに部屋を埋め尽くす赤い塗料で書かれた文字。
天井にまで「死」。
寒気がした。
やばい感じがした俺たちはすぐ廃旅館から逃げ出した。
明るいところに出てから手のひらを見たら、赤い文字で"J"と書いてあった。
その瞬間俺は恐怖が絶頂に達した。
【解説】
手のひらに書いてあった赤い文字の『J』は『し』の裏文字
つまり四つん這いになった時に手のひらについたもの。
手のひらについたということは、
最近書かれたものと言える。
全てが最近書かれたものであれば、
手のひらが真っ赤になってしまうだろうが、
『J』という文字がはっきりとわかったということは、
その『し』という文字だけ最近に書かれたもの。
仮に仲間の中で面白がって一文字加えていたとしたら、
その仲間は怖いもの知らず、と言えよう。
これが幽霊の仕業だとしたら…
一文字一文字毎日増やしたりしている
律儀な幽霊だったりするのだろうか?